有期・無期雇用の労働者を、就業規則に定めた制度に基づいて正社員へ転換した事業主に、国が助成する制度です。令和8年度は「情報公表加算」が新設され、基本額に加えて事業所単位の加算を併用できます。本ページは令和8年度版(令和8年4月8日現在)の内容で、該当診断と受給額の試算ができます。
正社員化コースは近年の改正で支給体系が変わっています。年度をまたいだ取り違えが起きやすいため、改正の時期ごとに整理しました。令和8年度の新設点は「情報公表加算」です。
非正規雇用の労働者を正社員に転換すると、転換前の雇用形態(有期/無期)・企業規模(中小/大)・対象者が「重点支援対象者」に該当するかで、1人あたりの支給額が決まります。これに事業所単位の加算(3種)を併用できます。
最大の注意点は順序です。キャリアアップ計画書の提出と就業規則への制度規定は、必ず正社員へ転換する“前”に。転換後に気づいても遡って申請はできません。
キャリアアップ計画書の提出と就業規則への制度規定は、必ず正社員へ転換する前に行います。すでに転換してしまった人や、計画書未提出の転換は対象になりません。重点支援対象者は2期(12か月)分が支給され、非該当者は1期(6か月)で完結します。
①かんたん診断で該当の可能性を確認 → ②シミュレーションで受給額を試算、の順がおすすめです。③支給額一覧・④加算一覧・⑤受給要件もあわせてご確認ください。
令和8年度の要件にもとづいて該当の可能性を判定します。あくまで目安で、最終的な可否は管轄労働局が判断します。
令和8年度の要件版/所要1分
企業規模・転換前の雇用形態・重点支援対象者の該当・転換人数・該当する加算を選ぶと、受給見込額を試算します。受給には3%以上の賃上げ・計画書の事前提出等の要件充足が前提です。
1人あたりの基本支給額(総額)です。重点支援対象者は2期(12か月)合算、非該当者は1期(6か月)のみ。これに事業所単位の加算が上乗せされます。
| 転換のパターン | 中小企業 | 大企業 |
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基本額に上乗せできる事業所単位の加算です。それぞれ要件を満たせば併用できますが、いずれも1事業所あたり1回限りです。
| 加算 | 中小 | 大企業 | 主な要件 |
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下記をすべて満たす必要があります。特に「計画書の事前提出」「就業規則への事前規定」「3%以上の賃上げ」は外せない要件です。
「重点支援対象者」の判定と、申請の順序についてのご質問が多く寄せられます。
次のa・b・cのいずれかに該当する人です。
a:雇入れから3年以上の有期雇用労働者(通算5年を超えて無期とみなされる人は除く)
b:雇入れから3年未満の有期雇用労働者で、過去5年間の正規雇用期間が通算1年以下、かつ過去1年間に正規雇用されていない人(新規学卒者は除く)
c:派遣労働者を派遣先が直接正社員として雇う場合、母子家庭の母等・父子家庭の父、人材開発支援助成金の特定の訓練を修了した人
bに該当する場合は、本人が記入する確認票(様式1-5)の原本が必要です。判定例は記事「重点支援対象者とは|a・b・cの判定と受給額」で解説しています。
中小企業で有期→正規に転換した場合、重点支援対象者なら80万円(40万円×2期)、該当しなければ40万円(1期のみ)です。無期→正規の場合は40万円と20万円です。第2期は第1期の6か月後に申請し、賃金を合理的な理由なく下げていないことが条件です。
転換日の前日までに、管轄の労働局長の受理を受けている必要があります。転換後に提出しても、その転換は対象になりません。就業規則への転換制度の規定も、転換の前に済ませておきます。
転換後6か月の賃金を、転換前6か月の賃金と比べて3%以上増えていることが必要です。比較するのは基本給と、毎月定額で支払う諸手当で、原則は1時間あたりの額で比べます。残業代や実費精算の手当は含めません。
転換後の雇用区分に、賞与または退職金の制度と、昇給の両方が適用されていることが必要です。「賞与は業績により支給しないことがある」だけの定めや、決算賞与のみの場合は認められないことがあります。また、正社員転換後に試用期間を置くと、有期→正規ではなく無期→正規として扱われます。
第1期は、転換後6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内です。第2期(重点支援対象者のみ)は、さらに6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内です。期限を1日でも過ぎると受給できません。
1年度・1事業所あたり20名までです(同じ人の第2期の申請は人数に数えません)。
情報公表加算(中小企業20万円)が新設されました。正社員転換制度や転換の実績を、自社のウェブサイトまたは職場情報総合サイト「しょくばらぼ」で公表した場合に加算されます。1事業所につき1回限りです。
出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」(令和8年4月8日現在)。2026年9月19日時点の情報です。最終的な可否は管轄労働局が判断します。