個社編25本の総まとめ。同じ「いい会社」でも、利益率が51%と2%に分かれる理由を構造で読む。
各社の直近通期決算に基づく概数。同じ棒の長さの差が、そのままビジネスモデルの差になっている。
※各社個社編の数値と同一基準。教材利用時は最新決算で要確認。
同じ製造業でもキーエンス51%とトヨタ10%。同じ物流でも佐川6%とヤマト2%。同じ飲食でもマクドナルド45%と鳥貴族6%。利益率を決めるのは業界ではなく「どの立ち位置で稼ぐか」——これがこのシリーズ全体の結論。
自分ではモノを作らず・運ばず、場と権利を貸して手数料を取る。粗利の塊が入り、限界費用が小さい。
体験と信頼に上乗せ価格を払ってもらう。値決め力の源泉は人(キャスト・パートナー・営業)への投資。
垂直統合・標準化・データで、薄い粗利を大量に高速で回す。仕組みの精度がそのまま利益率。
本業の顔は集客装置で、利益は別の場所で出る。決算書を見て初めて収益構造が見えてくる会社たち。
介護報酬・調剤報酬・(実質的に)派遣法制。値上げという選択肢がなく、制度運用力と人材確保が利益率のすべて。
鳥貴族は18円、OLCは10年で1.5倍超。値上げ幅の大きさと、顧客に受け入れられるかは比例しない。差は金額でなく「約束の更新」として物語を設計したか。サイゼリヤ(据え置きを貫く)とヤマト2017(従業員を守る値上げ)を加えると、価格改定の4パターンが揃う。
大和ハウスと大東建託は建築請負(フロー)を借上げ・管理(ストック)に接続し、AppleはiPhone販売をサブスクに、MSは売切りOfficeを365に転換した。一発の売上を継続収入に変換する回路を持つ会社は、景気の谷で差がつく。
単品管理・工場調理・チェーン理論(セブン・サイゼ・ニトリ)と、個店主義・現場判断(ドンキ・OLC・ワークマン)。正反対の思想がどちらも勝っている事実が重要で、需要が均質なら標準化、多様なら裁量という使い分けの問題だとわかる。
介護保険(2000)・派遣法(1986)・医薬分業(1990s)。3社とも制度の施行日が市場の誕生日で、売上は通過型、利益率は一桁、勝負は制度運用と人材確保。「法改正を読む力が経営力」という、士業が最も価値を出せる領域。
トヨタのJITは資金難から、サイゼリヤの低価格は火事から、ヤマトの宅急便は本業の行き詰まりから、ワークマンプラスは「何もするな」の暇から生まれた。制約は発明の母が25社に共通する最頻出パターン。
キーエンス(年収2,000万・利益率51%)、ワークマン(ノルマなし・19%)、スタバ(非正規に保険と株・15%)、SOMPOケア(処遇先行投資)。因果は単純ではないが、「人件費を削って利益を出した会社」がこの25社に1社もないことは記録に値する。→ 詳細は姉妹編「人事制度深掘り編」へ。