1. 数字を入れる
必要なのは粗利・人件費・人数の3つだけです。決算書と賃金台帳から取れます。 判定の境界は、下の「自社の推移」に3期分を入れて決めるのが確実です。
自社の数字
円
売上高 − 外部購入費用(仕入・外注・材料)。
ざっくりなら「売上総利益」で構いません。
ざっくりなら「売上総利益」で構いません。
円
給与・賞与・役員報酬・法定福利費・退職金繰入の合計。
会社負担の社会保険料を必ず含めてください。
会社負担の社会保険料を必ず含めてください。
人
パートは所定労働時間で按分してください。
判定の境界
業種平均は入れていません。公表されている業種別の数値は算出方式が資料ごとに違い、
そのまま自社と比べると食い違います。自社の過去3期を入れて、自社の推移で境界を決めてください。
%
初期値50%は分岐点の例です。統計値ではありません。
円/人
下の3期を入れてから押してください。
—
労働分配率
人件費 ÷ 粗利
—
労働生産性
粗利 ÷ 人数
—
一人当たり人件費
上の2つを掛けた値
労働分配率 × 労働生産性 = 一人当たり人件費 です。約分すると
(人件費÷粗利)×(粗利÷人数) = 人件費÷人数 になります。
2つの軸は独立ではなく、掛けると社長が実際に払っている金額になります。 だからこの2軸で、給与額が「なぜその水準なのか」を分解できます。
2つの軸は独立ではなく、掛けると社長が実際に払っている金額になります。 だからこの2軸で、給与額が「なぜその水準なのか」を分解できます。
他の資料の数字とそのまま比べないでください。
ここでは付加価値を売上高 − 外部購入費用(中小企業庁方式・控除法)、
実務上は粗利で代用する簡便法で計算しています。
経常利益や減価償却費を足し上げる加算法(日銀方式)で計算すると分母が変わり、 同じ会社でも労働分配率は大きく動きます。白書や統計資料で見かける数値は 方式が異なることがあるため、比べるなら方式を揃えるか、自社の推移で見てください。
経常利益や減価償却費を足し上げる加算法(日銀方式)で計算すると分母が変わり、 同じ会社でも労働分配率は大きく動きます。白書や統計資料で見かける数値は 方式が異なることがあるため、比べるなら方式を揃えるか、自社の推移で見てください。
2. 自社の推移で見る
他社と比べても次の一手は出てきません。効くのは自社の3期比較です。 分配率が上がっているのか、生産性が下がっているのか、どちらが動いたかで打ち手が変わります。
| 期 | 付加価値(粗利) | 人件費 | 人数 | 分配率 | 生産性 | 一人当たり |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 前々期 | — | — | — | |||
| 前期 | — | — | — | |||
| 当期 | 上の「自社の数字」を使います | — | — | — | ||
3. 最低賃金が上がると、どこへ動くか
人件費だけが上がり、粗利と人数が変わらない場合の労働分配率です。 ③停滞の会社は、最低賃金の上昇だけで①危険へ自動的に移動します。 ここが「今は大丈夫」と「来年から苦しい」を分ける境目です。
4. この診断でわかること・わからないこと
わかること
- 「人件費が重い」と感じている原因が、払いすぎなのか稼げていないのか
- 先に手を付けるべきものが、単価・工程・分配ルール・昇給のどれか
- 最低賃金の上昇で、あと何年で象限が変わるか
わからないこと
- 個々の社員の給与が適正かどうか(これは評価制度と賃金テーブルの話です)
- 不況耐性(損益分岐点比率・安全余裕率を別に見る必要があります)
- 業種の目安はあくまで目安で、事業モデルが違えば当てはまりません
5. Excel版の計算シートを受け取る
決算書と賃金台帳から数字を拾うための集計シート付きのExcel版です。会社負担の社会保険料の入れ漏れなど、分配率がずれやすい箇所に注意書きを入れています。
シートに入っているもの
- 人件費の集計(給与・賞与・役員報酬・法定福利費・退職金繰入など10項目)
- 付加価値の集計(中小企業庁方式・控除法)
- 労働分配率・労働生産性・一人当たり人件費と、4象限の自動判定
- 象限ごとの「やること/やってはいけないこと」
社内の会議資料や、顧問税理士との打ち合わせにそのまま使えます。