業務フローと課題の整理
誰の、どの作業を、どれだけ減らすのか。ここが言語化できていない依頼は、実装しても使われません。
- やること
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- 現状の作業手順を、担当者・所要時間つきで書き出す
- そのうち何を無くすのか、何を残すのかを線引きする
- システム化せずに運用変更で解決できないかを一度検討する
- 成果物
- As-Is 業務フロー、To-Be 業務フロー、課題一覧
- 完了条件
- 「この機能によって、誰の何分/月が減るか」を数字で言える
Mirise / 開発標準
Claude Code に指示を出す前に、何を、どの順番で、どこまで決めておくか。手戻りの大半は、コードを書く前の工程を飛ばしたことが原因で起きます。この手順書は、その前工程を固定するためのものです。
6つの工程を順に通します。各工程には成果物と完了条件があり、完了条件を満たさないまま次に進まないことが、この手順の唯一のルールです。
| 工程 | 成果物 | この工程で潰すリスク |
|---|---|---|
| 1業務フローと課題の整理 | As-Is/To-Be の業務フロー、課題一覧 | そもそも作る必要のないものを作る |
| 2データモデル設計 | テーブル定義、ER図、権限マトリクス | 後から作り直すと最も高くつく変更 |
| 3Excel 試作 | 計算ロジックの検証ブック | 業務ルールの解釈違い、計算誤り |
| 4画面モック | 画面イメージ、遷移の流れ | 操作導線の認識ズレ |
| 5仕様書への統合 | 機能単位の仕様書、受け入れ基準 | 「正しく動く」の定義が曖昧なまま実装 |
| 6縦切り実装 | 1機能が通しで動く状態 | 認証・権限・デプロイの後付け |
画面から入ると、業務のほうが「作れそうな画面」に引っ張られます。データ構造から入ると、業務のほうが主で画面が従になる。工程2を工程4より前に置いているのは、この一点のためです。
「完了条件」は、次の工程に進んでよいかの判定基準です。曖昧な表現ではなく、他人が見て◯×を付けられる形にしてあります。
誰の、どの作業を、どれだけ減らすのか。ここが言語化できていない依頼は、実装しても使われません。
後から一番高くつく変更がスキーマ変更です。画面は何度でも直せますが、テーブル構造の作り直しは既存データの移行を伴います。ここに一番時間をかけます。
Excel は「実行可能な仕様書」です。計算ロジックをコードを書く前に、実際の担当者と数字で合意できます。当所のシステムは計算ルールが正しいかどうかが価値の大半なので、ここを最優先で潰します。
確認するのは操作の流れだけです。色や余白、文言の細部はここで詰めません。動かしてから直したほうが速い領域です。
Claude Code に対して最も効く情報は、受け入れ基準です。「正しく動く」の定義が渡っていないと、それらしく動くだけのものが出来上がります。
docs/ に置くCLAUDE.md全機能の設計を完璧にしてから作り始めるのではなく、最小の1機能を DB から画面まで一本貫通させます。認証・権限・デプロイまで先に通しておくと、以降の機能追加が急に速くなります。
前工程の成果物をどう渡すかで、出力の質が大きく変わります。守るのは3点だけです。
1ファイルの大作にせず、docs/ に機能単位で分割し、CLAUDE.md から参照させます。長大な仕様を一度に渡すと、後半の指示ほど精度が落ちます。
「まず設計案と、変更対象ファイルの一覧を出してください。実装はまだしないでください」と指示し、内容を確認してから実装に進みます。このひと手間が、手戻りを最も減らします。
1コミット1機能。動かないコードを積み上げないこと。まとめて指示するほど、どこで壊れたかの特定に時間がかかります。
前工程を丁寧にやっているときほど起きやすい失敗です。
Excel は横に項目を並べますが、データベースは縦持ち・正規化が基本です。Excel シートをそのまま列に置き換えると、項目が増えるたびにスキーマ変更が必要な構造になります。
対処:Excel は「ロジックの検証装置」であって「テーブル設計図」ではない、と切り分ける。工程2と工程3は別物として扱う。
検証のつもりが完成品になり、「Excel で足りるのでは」となる。
対処:それが正しい答えなら素直に受け入れる。開発しないという判断も、この手順の正常な出力です。
給与、マイナンバー、健康情報を扱う以上、「誰がどのデータを見られるか」は最も後付けが苦しい領域です。画面を先に量産してから権限を入れると、ほぼ全画面の作り直しになります。
対処:工程2でテーブル定義と同時に権限マトリクスを作り、RLS の方針まで決めておく。
「賃金を正しく計算できること」では判定できません。実装者にとっても、Claude Code にとっても情報量がゼロです。
対処:「月給25万円・月中10日入社の場合、日割り支給額は◯円になること」の形式に直す。
5人規模の事務所で、要件定義書・基本設計書・詳細設計書と積むのは過剰です。判断基準は一つ、変更コストが高いものだけ先に決めることです。
後から変えると高くつくもの
後から変えても安いもの
「スクリーンショット → モック → 合意 → 実装」の進め方は、右側(動かしてから決める領域)の運用としてよく機能します。その手前に、左側の合意を一段挟むこと。それだけで後半のスピードがそのまま成果になります。
そのままコピーして使えるひな形です。
ドキュメント構成Claude Code に最初の実装を依頼する前に、これらがすべて埋まっていることを確認します。