← ミライズ労務コンサルティングAI業務設計 目次(全4部)

工程別プロンプト集

作業の直前に開く
10のプロンプト

業務の種類ではなく、作業の工程で分類しています。何を扱う仕事であっても、調べる・読む・比べる・書く・直す・点検する、の工程は共通するためです。読み物ではありません。使う直前に開き、1つ選んでコピーしてください。

SECTION 01使い方

1. 第2章の早見表で、今の状況に近い行を探す。

2. 該当するプロンプトをコピーし、【 】を埋めて実行する。

3. 返ってきた結果を「良い出力の条件」で確認する。満たさなければ「うまくいかない時」の1文を追加する。

1件ずつ独立して使えます。上から順に読む必要はありません。まず第2章だけを見てください。

SECTION 02場面から引く早見表

左の列に、実際に口に出す言葉を並べています。

番号工程こういう時に開く
01調べる数値や日付が必要。ただし間違っていたら困る
02読む長い資料が届いた。全部読む時間がない
03比べる2つ以上の案があり、決めきれない
04下書く白紙から書き始められない
05直す書いたが、どこか読みにくい
06点検する出す前に、間違いがないか確かめたい
07整える中身は正しい。形式だけ揃えたい
08分ける情報が多すぎて、扱える形になっていない
09教わる説明を読んだが、分かった気がしない
10任せる作業を丸ごとAIに渡したい

SECTION 03プロンプト

各件とも、使う場面・使わない場面・本文・穴埋め・良い出力の条件・追加指示の6項目で構成しています。

PROMPT 01

調べる

事実を確認する

使う場面
数値、日付、制度の内容など、間違っていたら成果物が使えなくなる事実を集めるとき。
使わない場面
× 一般的な知識の確認。それは調べるまでもなく返ってきます。このプロンプトは出典を要求する分、時間がかかります。
【調べたいこと】について事実を確認する。

条件:
- 出典を確認できた事実だけを書く
- 確認できなかった項目は「未確認」と明記し、推測で埋めない
- 一次情報(公式サイト、官公庁、法令原文、決算資料)を優先する
- 各項目に、その情報の時点(いつ時点か)を付ける

出力形式:
| 項目 | 内容 | 出典 | 時点 |
の表。5〜8行。表の後に、未確認項目の一覧。

禁止:
- 出典のない数値、日付、固有名詞を書かない
- 「一般に」「〜と言われている」で始まる記述をしない
【調べたいこと】= 調べる対象を1つに絞って書く。2つ以上あるときは分けて実行する
良い出力の条件
  • 「未確認」が1件もない場合は疑う。全件が確認済みになることは稀
  • 出典欄に、組織名ではなく具体的な文書名かURLが入っている
  • 時点の粒度が項目間で揃っている
うまくいかない時
「未確認の項目それぞれについて、何を見れば確認できるかを1件ずつ挙げて」と追加する。
PROMPT 02

読む

長い資料の要点を掴む

使う場面
契約書、報告書、議事録、長いメールなど、判断のために読む必要がある資料を渡されたとき。
使わない場面
× 内容を人に説明するための要約。それは相手と目的が変わるので、別途書き起こしてください。これは自分が判断するための整理です。
添付資料を読み、次の順で出力する。

1. この資料が主張していること(3行)
2. 判断に使える事実(数値、日付、条件)を箇条書きで5〜8件
3. 書かれていないが、判断に必要な情報(3件まで)
4. 読み手が誤解しやすい箇所(あれば2件まで)

条件:
- 資料に書かれていないことを補わない
- 元の見出し構成をなぞらない。上の1〜4の形にまとめ直す

禁止:
- 原文を3行以上そのまま引き写さない
穴埋めなし。資料を添付するか、本文の下に貼り付けて使う
良い出力の条件
  • 項目3が空でない。空なら読みが浅いか、指示が届いていない
  • 項目2の数値すべてに単位と時点が付いている
  • 元の資料の見出しがそのまま並んでいない
うまくいかない時
「この資料だけを根拠に判断すると、どこで間違える可能性があるか」と追加する。
PROMPT 03

比べる

選択肢を判断材料に落とす

使う場面
案が2つ以上あり、どちらを採るか決める必要があるとき。ツール選定、方針の決定、提案内容の選択など。
使わない場面
× 選択肢がまだ出そろっていないとき。先に案を出す段階では、比較の枠が発想を制限します。
【選択肢A】と【選択肢B】を比較する。

条件:
- 比較する観点を先に4〜6個挙げ、全選択肢に同じ観点を適用する
- 各観点でどちらが優位かを明示する。両方に「◯」を付けない
- 優位と判断した根拠を、観点ごとに1文で書く
- 前提が変わると結論が逆転する条件を、最後に1つ挙げる

出力形式:
観点ごとの表 → 結論(3行)→ 逆転条件(1行)

禁止:
- 「場合による」「一長一短」で結論を回避しない
- 私が選ぶべき理由を、私の状況を知らないまま断定しない
【選択肢A】【選択肢B】= 3つ以上ある場合は列挙する。ただし4つを超えると観点が浅くなるため、先に2つへ絞る
良い出力の条件
  • 全観点に優劣が付いており、引き分けが2つ以下
  • 逆転条件が具体的で、自分の状況に当てはめて判定できる
  • 観点が結論に有利なものだけに偏っていない
うまくいかない時
「劣位と判定した側を採るべきなのは、どういう場合か」と追加する。偏りが出ていれば、ここで露見します。
PROMPT 04

下書く

白紙から書き始める

使う場面
案内文、提案、報告、告知など、これから書くものの型が決まっていないとき。
使わない場面
× 定型文の作成。過去のものを流用するほうが速く、品質も安定します。
【作るもの】の下書きを作る。

前提:
- 読み手: 【誰が読むか】
- 読み手に取ってほしい行動: 【何をしてほしいか】
- 分量: 【文字数または枚数】

条件:
- 冒頭3行で、読み手が自分に関係があると分かるようにする
- 主張1つにつき、根拠を1つ付ける
- 完成形を1案だけ出す。複数案を並べない

禁止:
- 「近年」「昨今」「〜が求められています」で始めない
- 内容のない前置きを書かない
- 私が伝えていない事実を書かない
【読み手に取ってほしい行動】が最も重要です。ここが空だと、体裁は整っているが用途のない文章が返ってきます
良い出力の条件
  • 冒頭3行だけ読んで、用件と関係性が分かる
  • 根拠のない主張が1つもない
  • 取ってほしい行動が本文中に書かれている
うまくいかない時
「この文章を読んだ人が、行動しない理由を3つ挙げて」と追加し、その3つを潰す形で書き直させる。
PROMPT 05

直す

自分が書いた文章を良くする

使う場面
内容は固まっているが、読みにくい・伝わりにくいと感じるとき。
使わない場面
× 誤りを探したいとき。それは06です。05は表現を扱い、06は正しさを扱います。混ぜると、どちらも中途半端になります。
次の文章を改善する。全面書き直しはしない。

出力形式:
| 該当箇所 | 問題 | 修正案 |
の表で5〜8件。表の後に、修正を反映した全文。

条件:
- 意味が変わる修正と、表現だけの修正を分けて示す
- 元の文体と語彙を維持する

禁止:
- 指摘していない箇所を書き換えない
- 「より良くしました」と要約せず、変更点を全件挙げる

---
【ここに文章を貼る】
【ここに文章を貼る】= 部分的に直したい場合は、その段落だけを貼る。全文を貼ると、直したくない箇所まで変わります
良い出力の条件
  • 表の指摘件数と、全文中の変更箇所の数が一致している
  • 意味が変わる修正が、表現だけの修正と区別されている
  • 文体が元のまま保たれている
うまくいかない時
「元の文章と修正後を並べ、変更していない段落を明示して」と追加する。無断の書き換えを検出できます。
PROMPT 06

点検する

誤りと抜けを探す

使う場面
外に出す前の最終確認。契約書、提案書、公開資料、申請書類など。
使わない場面
× 内容の良し悪しを相談したいとき。点検は「正しいか」だけを見ます。良し悪しは03か05です。
次の文書を点検し、誤りと抜けを探す。改善提案はしない。

観点:
1. 事実の誤り(数値、日付、名称、番号)
2. 内部の矛盾(前後で異なることを言っている箇所)
3. 抜け(あるべき項目が無い)
4. 曖昧(複数の解釈ができる表現)

出力形式:
| 種別 | 該当箇所 | 何が問題か | 確認すべきこと |
指摘が0件の観点は「0件」と明記する。

禁止:
- 文章表現の良し悪しを指摘しない
- 確証のない指摘に「おそらく」を付けて出さない。
  確認事項の欄に書く

---
【ここに文書を貼る】
穴埋めは貼り付けのみ。観点1〜4は削らないこと。減らすと、残した観点の指摘まで甘くなります
良い出力の条件
  • 4観点すべてに、指摘か「0件」の記載がある
  • 該当箇所が原文の語句で特定されており、要約になっていない
  • 表現の指摘が混ざっていない
うまくいかない時
「この文書を読んだ相手が、後から異議を唱えられる箇所を3つ挙げて」と追加する。観点3の抜けが出やすくなります。
PROMPT 07

整える

形式と体裁を揃える

使う場面
内容は確定していて、表形式にする、箇条書きに直す、表記を統一する、といった変換だけが必要なとき。
使わない場面
× 内容に不足があるとき。整形の指示で渡すと、AIは不足を自分で補います。それが最も気づきにくい混入経路です。
次の内容を【指定する形式】に整える。内容は変更しない。

条件:
- 情報の追加、削除、言い換えをしない
- 形式に当てはまらない箇所は、変換せず末尾に一覧で報告する
- 表記(数字、年号、単位、敬体常体)を全体で統一する
- 統一した表記のルールを、最後に3行でまとめる

出力形式:
変換後の本文 → 変換できなかった箇所の一覧 → 表記ルール

禁止:
- 内容が薄いと判断しても補わない
- 重複していると判断しても、確認なく統合しない

---
【ここに内容を貼る】
【指定する形式】= 「3列の表」「見出し+箇条書き」のように、構造まで指定する。「見やすく」では変換になりません
良い出力の条件
  • 変換前後で、情報の件数が一致している
  • 「変換できなかった箇所」の欄が存在する(0件でも記載がある)
  • 元になかった語が本文に増えていない
うまくいかない時
「元の内容と変換後を照合し、増えた語と消えた語を全件挙げて」と追加する。
PROMPT 08

分ける

情報を分類して扱える形にする

使う場面
問い合わせ一覧、要望、課題、候補などが多数あり、そのままでは判断できないとき。
使わない場面
× 件数が20件未満のとき。目で見て分けるほうが速く、分類軸も自分で決めたほうが納得できます。
次の情報を分類する。

条件:
- 分類軸を先に提示し、私の承認を得てから分類を実行する
- 1件が2つの分類に入る場合は、両方に入れず「判断保留」に置く
- 分類ごとの件数を示す
- 合計件数が元の件数と一致することを確認し、その結果を書く

出力形式:
分類軸の提案 →(承認後)分類ごとの一覧 → 件数表 → 判断保留の一覧

禁止:
- 「その他」を全体の2割以上にしない。超える場合は軸を作り直す
- 元にない項目を追加しない

---
【ここに情報を貼る】
承認を挟む設計です。軸の提案が返ってきたら、そこで一度止めて確認してください。軸が違うと、分類作業がすべて無駄になります
良い出力の条件
  • 件数の合計が元と一致している(この確認がない出力は使わない)
  • 「その他」が全体の2割未満
  • 判断保留の一覧が存在する。0件なら分類が雑な可能性がある
うまくいかない時
「別の分類軸をもう1つ提案して。2つの軸で分けた結果が変わる件を挙げて」と追加する。
PROMPT 09

教わる

分からないことを理解する

使う場面
説明を読んでも掴めない概念や仕組みがあり、自分の言葉で説明できる状態になりたいとき。
使わない場面
× 用語の意味だけ知りたいとき。このプロンプトは確認の問いまで出すので、その分の時間がかかります。
【分からないこと】を説明する。

前提: 私が既に知っているのは【どこまで知っているか】。

条件:
- 専門用語は初出時に1文で定義する。定義せずに使わない
- 説明の途中で、私が既に知っている事柄に1回たとえる
- 最後に、理解できているか確認する問いを2つ出す
- 私が答えるまで、その答えを書かない

分量: 800字以内

禁止:
- 「簡単に言うと」で始めて内容を削らない
- 私が知らないと言っていない前提知識を使わない
【どこまで知っているか】を書くほど精度が上がります。「まったく知らない」も有効な記入です
良い出力の条件
  • 定義せずに使われている専門用語が1つもない
  • 確認の問いが、答えを本文中に含んでいない
  • たとえが、自分の知っている事柄になっている
うまくいかない時
「私が今書いた理解を読んで、間違っている箇所だけ指摘して」と、自分の言葉で説明したものを返す。理解の穴が特定できます。
PROMPT 10

任せる

作業を渡すための指示書を作る

使う場面
作業をまとめて任せたいとき。指示書を作らせ、それを自分で確認してから渡します。
使わない場面
× 何を作るか自分でも固まっていないとき。指示書は要件が決まってから作るものです。先に対話で固めてください。
【作業】をAIに任せるための指示書を作る。
私はこの指示書を、別のAIにそのまま渡す。

含めること:
1. 目的と完成条件(何ができたら終わりか)
2. 参照する資料(ファイル名で指定する)
3. 出力形式(項目数、分量、ファイル形式)
4. やってはいけないこと(3つ)
5. 完了時に報告させる内容

条件:
- 判断基準は数値か条件式で書く
- 要件を指示書に直接書かず、資料を指す形にする
  (資料が無い場合は、先に資料を作る手順を提案する)

禁止:
- 「適切に」「必要に応じて」「しっかり」を使わない
- 私が伝えていない前提を、指示書に書き足さない
【作業】= 完成形が思い浮かぶ粒度まで具体化する。思い浮かばないなら、まだ任せる段階ではありません
良い出力の条件
  • 「やってはいけないこと」が、一般的な注意ではなくこの作業固有になっている
  • 完成条件が、満たしたかどうかを他人が判定できる書き方になっている
  • 抽象的な副詞が1つも使われていない
うまくいかない時
「この指示書だけを渡された人が、判断に迷う箇所を3つ挙げて」と追加し、その3つを埋める。

SECTION 04収録しなかった作業

要望が出やすいものを、理由とともに挙げておきます。

作業収録しなかった理由
要約して目的によって残すべき情報が変わるため、定型化できない。判断のための整理は02、人に伝えるための要約は用途ごとに書く。
アイデア出し・壁打ち定型化すると、発想の幅がプロンプトの枠に収まる。この工程は毎回条件が変わることに価値がある。
翻訳追加の指示なしで実用水準の結果が返る。収録する価値がない。
特定案件の設定・操作手順1回限りで、再利用されない。手順書として別に残すもの。

SECTION 05更新ルール

運用しないプロンプト集は、半年で使われなくなります。

社会保険労務士法人ミライズ労務コンサルティング
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