顧問社労士の選び方|名古屋の中小企業が契約前に確かめる7つのこと
「顧問社労士を探しているが、どこも同じに見える」。名古屋の中小企業の社長から、よくこう相談されます。顧問料の安さだけで選ぶと、必要な業務が別料金だった、相談しても返事が遅い、手続きはしてくれるが制度の相談には乗ってもらえない、といったすれ違いが起きがちです。
本記事では、顧問契約を結ぶ前に確かめておきたい7つのことを、名古屋で141社の顧問をお受けしている社会保険労務士法人の立場から整理します。
- ✓顧問料は従業員数で決まるのが一般的。比べるべきは金額より「何が含まれているか」。
- ✓給与計算・就業規則・助成金は、顧問料と別料金の事務所が多い。契約前に一覧で確認する。
- ✓手続きの代行だけでなく、賃金・評価制度や人件費の相談に乗れるかで、顧問の価値は大きく変わる。
- ✓切り替えは難しくない。進行中の手続きと書類の引き継ぎを決めてから、時期をそろえて移る。
顧問社労士に頼めること
社会保険労務士の業務は、社会保険労務士法で大きく3つに分かれています。
| 区分 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 書類の作成・提出代行(1号業務) | 労働・社会保険の届出や申請書を作成し、役所へ提出する | 入退社の資格取得・喪失、算定基礎届、労働保険の年度更新、助成金の申請 |
| 帳簿書類の作成(2号業務) | 法令で備え付けが義務付けられた帳簿を作成する | 労働者名簿、賃金台帳、就業規則 |
| 相談・指導(3号業務) | 労務管理や社会保険について相談に応じ、助言する | 残業・休日の相談、賃金制度・評価制度の設計、トラブルの初期対応 |
1号・2号は社会保険労務士でなければ報酬を得て行えない業務です。顧問契約は、このうち日常的な手続きと相談を毎月定額で継続的に引き受ける契約と考えるとわかりやすいでしょう。
確認1:顧問料に何が含まれているか
顧問料は、従業員数(役員・パートを含む人数)に応じた月額制にしている事務所が多く、人数が増えるほど段階的に上がります。見積もりを比べるときは、金額よりもその金額に何が含まれているかを確認してください。
参考までに、当法人の料金表では次のように分けています(税抜・2026年6月版)。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 顧問料に含まれる | 一般的な労務相談、労働保険・社会保険の各種手続き、入退社の手続き、雇用契約書の基本的な確認、行政からの簡易な照会対応 |
| 顧問料に加算 | 給与計算(基本料5,000円+4名超過分1人1,000円)、給与チェックのみ(基本料2,000円〜) |
| 別途お見積り | 助成金申請、就業規則の作成・全面改定、人事評価制度・賃金制度の設計、賞与計算・年末調整、調査対応など |
| スポット料金 | 労働保険の年度更新・算定基礎届(各15,000円〜)、36協定(20,000円) |
顧問料そのものは、4人以下で月20,000円、10〜19人で月30,000円などです。全体は料金表でご確認いただけます。
確認2:給与計算まで任せるか
給与計算を社内で続けるか、社労士に任せるかで、選ぶべき事務所が変わります。給与計算を任せると、残業代の計算、社会保険料の改定、住民税の更新がまとめて正しく回るようになります。一方で、勤怠データの締め日や受け渡しの方法を事務所側と決める必要があります。
社内で計算を続ける場合でも、計算結果を社労士が確認する「給与チェック」という形があります。割増賃金の計算ミスや社会保険料の改定漏れは、あとからさかのぼると金額が大きくなるため、確認だけでも頼む価値があります。
確認3:相談の返答スピードと連絡手段
顧問契約の価値は、困ったときにすぐ聞けることにあります。問い合わせの返答までの目安、メール・チャット・電話・訪問のどれで相談できるか、担当者が不在のときの体制を、契約前に聞いておきましょう。
確認4:手続きだけか、制度づくりまでか
社労士事務所には、手続きの正確さとスピードを強みにする事務所と、賃金・評価制度や助成金、労務トラブルの相談まで踏み込む事務所があります。どちらが良いかは会社の段階によります。
| 会社の状況 | 合いやすい顧問 |
|---|---|
| 創業期・人数が少ない | 手続きを確実に回してくれる事務所 |
| 採用が増えてきた、残業代や有給の管理が不安 | 就業規則と勤怠・給与の運用まで見てくれる事務所 |
| 賃上げ・評価・人件費の判断に迷っている | 賃金制度の設計と、人件費を数字で説明できる事務所 |
| 助成金を活用したい | 要件の確認から、就業規則の整備・申請まで一貫して対応できる事務所 |
特に最低賃金が毎年上がるいま、「いくらまで賃上げできるか」を人件費の総額から一緒に考えられるかどうかは、大きな差になります。自社の人件費の状態は人件費4象限診断で確認できます。
確認5:電子申請・クラウドへの対応
社会保険・労働保険の手続きは、電子申請が当たり前になりました。電子申請に対応している事務所なら、書類の郵送や押印のやり取りが減り、手続きが早く終わります。
また、クラウドの勤怠管理・給与計算ソフトを使っている、または導入を考えている場合は、そのソフトに事務所が対応しているか、初期設定まで手伝ってもらえるかも確認しておきましょう。
確認6:税理士と話がつながるか
人件費は、決算書の中でもっとも大きな費用のひとつです。役員報酬の決め方、賞与の支給額、社会保険料の会社負担などは、社労士と税理士の両方にまたがるテーマです。
顧問税理士と連絡を取り合える事務所か、決算書の数字を読んだうえで労務の助言ができるかを確認しておくと、「税務ではこう、労務ではこう」と別々の答えが返ってくる事態を避けられます。
確認7:担当者と体制
個人の事務所か、社会保険労務士法人か。担当者は固定か、チームで対応するか。担当者が休んだり退職したりしたときに業務が止まらない体制かどうかも、長く付き合ううえで大切です。初回の面談で、実際に担当する人と話しておくことをおすすめします。
社労士を切り替えるときの進め方
いまの社労士から切り替えること自体は、難しくありません。次の順番で進めると、手続きの抜けを防げます。
顧問社労士は、顧問料の金額より「何が含まれているか」「どこまで相談できるか」で選ぶのが失敗しない近道です。1年間の総額で比べ、給与計算の扱い、返答の速さ、制度づくりや人件費の相談への対応、税理士との連携、担当体制を契約前に確認しましょう。
名古屋市中区を拠点に、141社(2026年8月時点)の労務顧問をお受けしています。いまの契約内容とお困りごとをうかがい、料金と対応範囲をわかりやすくご提案します。初回相談は無料です。
※本記事は一般的な情報提供です。顧問料・対応範囲は事務所ごとに異なります。当法人の料金は2026年6月発行の料金表にもとづくもので、予告なく改定する場合があります。