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2026.06.24 労務管理

従業員を採用したら|入社時の社会保険・雇用保険の手続き完全ガイド

COLUMN / 労務管理

従業員を一人採用すると、その裏では複数の役所への手続きが一斉に動き出します。健康保険・厚生年金は入社から5日以内、雇用保険は翌月10日まで――というように、それぞれ提出先も期限もバラバラ。さらに雇用契約書の交付や、法定三帳簿の整備も同時に必要です。「とりあえず雇ったけれど、何から手をつければ?」と迷いやすいのが入社手続きです。

本記事では、従業員を採用したときに会社がやるべきことを、提出先・期限つきのチェックリストとして社会保険労務士の視点で整理します。最初の一人を雇うときも、採用を増やしていくときも、この順番で進めれば抜け漏れを防げます。

この記事の要点
  • 入社手続きは「期限がバラバラ」が最大の壁。社会保険は5日以内、雇用保険は翌月10日まで、と期限の早いものから動く。
  • 提出先は年金事務所(社会保険)・ハローワーク(雇用保険)・税務署/市区町村(税)の3系統。窓口ごとに整理すると迷わない。
  • 手続きの前提として、雇用契約書(労働条件通知書)の交付と、マイナンバー・基礎年金番号などの情報収集が必要。
  • 採用のたびに発生する定型業務。手続きアウトソーシングでミスと手間を減らせる。
目次
  1. 00入社手続きは「期限がバラバラ」が最初の壁
  2. 01社会保険(健康保険・厚生年金)── 5日以内
  3. 02雇用保険 ── 翌月10日まで
  4. 03雇用契約・税・その他の整備
  5. 04入社時にそろえる書類・情報チェックリスト
  6. 05ミスが起きやすい点と、任せるという選択

入社手続きは「期限がバラバラ」が最初の壁

入社手続きが分かりにくいのは、やること自体が難しいからではありません。提出先ごとに期限がバラバラで、しかも一番早いものは入社からわずか5日後に迫っているからです。まずは全体像を、期限の早い順に並べた早見表でつかみましょう。

手続き 期限 提出先
労働条件通知書(雇用契約書)の交付 契約締結時(入社まで) 本人に交付
健康保険・厚生年金 資格取得届 入社から5日以内 年金事務所/健康保険組合
雇用保険 資格取得届 入社した月の翌月10日まで ハローワーク
扶養控除等申告書の回収・税の準備 最初の給与計算まで 社内保管/市区町村
法定三帳簿の整備・雇入時健診 入社時に随時 社内整備

このうち提出が必要な役所は、大きく年金事務所(社会保険)・ハローワーク(雇用保険)・税務署/市区町村(税)の3系統です。窓口ごとに整理して考えると、ぐっと迷いにくくなります。順に見ていきましょう。

社会保険(健康保険・厚生年金)── 5日以内

もっとも期限が短いのが社会保険です。入社して加入要件を満たす従業員については、「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を入社から5日以内に、年金事務所(健康保険組合に加入している場合は組合にも)へ提出します。

扶養する家族がいる場合は、あわせて「被扶養者(異動)届」を提出します。配偶者を扶養に入れるときは、配偶者自身の年金の手続き(国民年金第3号被保険者の届出)も同時に行います。これらは資格取得届とセットで処理するのが基本です。

パート・アルバイトも要確認
社会保険は正社員だけのものではありません。労働時間・日数が一定以上のパートや、適用拡大の対象となる短時間労働者も加入対象です。「短時間だから対象外」と決めつけず、加入要件を確認しましょう。

雇用保険 ── 翌月10日まで

雇用保険の加入対象となる従業員(原則として週20時間以上・31日以上の雇用見込みなど)については、「雇用保険 被保険者資格取得届」を、入社した月の翌月10日までにハローワークへ提出します。社会保険より期限に少し余裕がありますが、後回しにして忘れやすい手続きでもあります。

手続き後に交付される雇用保険被保険者証は、本人に渡します。なお、会社として労働保険の保険関係がすでに成立している場合、従業員一人ごとに労災保険の加入手続きをする必要はありません(労災保険は事業所単位で適用され、保険料は年度更新でまとめて精算します)。新たに事業所を設けた場合の労働保険の成立手続きについては、複数拠点の労働保険をまとめる記事もご参照ください。

雇用契約・税・その他の整備

役所への届出と並行して、社内で整えておくべきこともあります。これらは届出の前提になったり、後のトラブルを防いだりする土台です。

届出とあわせて整えること

雇用契約書や就業規則そのものの作り方を整理したい場合は、雇用契約書・就業規則・労使協定の基本の記事もあわせてご覧ください。

入社時にそろえる書類・情報チェックリスト

手続きをスムーズに進めるには、入社する本人から早めに情報を集めておくことが肝心です。最初の給与計算や届出の直前に「番号が分からない」と慌てないよう、次の項目をそろえておきましょう。

本人から集める情報・書類
  • マイナンバー(社会保険・雇用保険・税の手続きに使用)
  • 基礎年金番号(基礎年金番号通知書・年金手帳など)
  • 雇用保険被保険者番号(前職の離職票・雇用保険被保険者証など)
  • 前職の源泉徴収票(年内に前職がある場合・年末調整に必要)
  • 扶養家族の情報(被扶養者の氏名・生年月日・続柄・収入など)
  • 給与振込口座・本人確認書類など

こうした情報は、入社案内の段階で所定の様式(入社連絡シートなど)にまとめて記入してもらうと、回収漏れが減ります。集めた情報をそのまま各届出に転記できる形にしておくと、手続きが一気にスムーズになります。

ミスが起きやすい点と、任せるという選択

期限切れ・届出漏れ
社会保険の5日以内は意外と短く、繁忙期に後回しにして遅れがちです。届出が遅れると、保険証の発行が遅れたり、保険料をさかのぼって徴収されたりする原因になります。

加入要否の判断ミス
パートやアルバイトの社会保険・雇用保険の加入要否は、労働時間や適用拡大の基準で変わります。「入れなくてよい」と思い込んでいた人が実は対象だった、というのは後の調査で指摘されやすいポイントです。

入社手続きは、採用のたびに必ず発生する“定型業務”です。だからこそ、属人的に処理するよりも仕組み化したほうが、ミスも手間も減らせます。ミライズ労務では、入退社の手続きから給与計算、社会保険の年次手続きまでをまとめてお引き受けする労働保険・社会保険の手続きアウトソーシングで、こうした毎回の作業を会社の手から離せるようサポートしています。

SUMMARY
期限の早い順に、窓口ごとに動く

入社手続きの肝は、社会保険5日以内・雇用保険翌月10日までという期限を外さないこと。提出先は年金事務所・ハローワーク・税の3系統に整理でき、雇用契約書の交付と情報収集が手続きの前提になります。

採用のたびに繰り返す定型業務だからこそ、チェックリストで標準化し、必要に応じてアウトソーシングするのが、ミスを防ぐいちばんの近道です。

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